ばってん会は5月1日昼、国連本部で3日より開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議を前にニューヨーク入りした田上富久長崎市長、吉原孝市議会議長ら長崎市関係者および朝長万左男・長崎原爆病院院長をはじめとする被爆者20名との交流会を、ワールド・ファイナンシャル・センターにあるレストラン「サウス・ウエスト」で開きました。
ニューヨークからは山口会長はじめばってん会から実行委員7名とレズバニ吉田知代さんらニューヨーク近郊在住の被爆二世の方を含む長崎出身者10名の他、先日ばってん会にて演奏会を開いてくださった長崎出身のギタリストBunken氏がご夫婦で参加。また、ニューヨーク広島会の古本武司会長、ニューヨーク仏教会の中垣顕實住職、平和団体ユニバーサル・ピース・デーのスー・ゼン代表らも参加しました。マスコミは朝日新聞、長崎新聞、毎日新聞、西日本新聞、NHK、長崎国際テレビなどから計9名が参加。合計60名あまりの交流会となりました。
正午よりハドソン川に面した屋外にてカクテルで開始。天気に恵まれ、春らしい日差しの中、和やかに交流会が始まりました。交流会の実行委員となった木下信義さんと土橋省吾さんは被爆二世。アメリカの地にいる被爆二世として、日本から来たマスコミの取材を受けていました。壁に張り出された歓迎の横断幕には、参加者の方たちによって核廃絶や世界平和のメッセージが多数書き込まれました。
カクテルそしてビュッフェ・スタイルのランチの後は、山口猛ばってん会会長より歓迎の辞があり、市長一行の到着が遅れたため、予定を変更して、飯塚千恵子さん(バイオリン)と渡辺美知子さん(アコーディオン)のデュオ「デュ・マルシェ」よる演奏が行われました。1曲目はゲルニカ(スペイン)でも披露されたというオリジナル曲「生きて」。2曲目の「長崎の鐘」では一緒に口ずさむ人も見受けられました。
「温かいおもてなしを大きな力に」
予定より遅れて到着した田上長崎市長は開口一番「昨年に続いて受け入れていただきありがとうございます。英語ばかりのところで長崎の言葉を聞けてうれしく思います」と会場を沸かせました。長崎チームは一緒によく動いており、去年は広島の人から「そっちでやりたいくらい」とまで言われた話を披露。また「高見大司教は我々の動けないところで動いてもらっています。それぞれの役目をもってやっていただいています」と述べられ、「(核兵器廃絶については)とても大事な時期に私たちはいます、力を100%出したいと思います」と挨拶されました。
吉原孝市議会議長は「みなさんの温かいおもてなしを大きな力として、これからの集会に臨みたいと思います」と挨拶。被爆者代表として朝長万左男(66、地球市民集会代表)さんは「65年間、核兵器が使われなかったのは被爆者の運動があったから。明日からも頑張っていきましょう」と呼びかけられました。
高見三明カソリック教会長崎大司教は長崎・旧浦上天主堂で被爆したマリア像を披露、「見せ物ではないのですが、お像がたくさんのことを語っています。平和を考えるきっかけになればと思います」と静かに語られました。被爆マリア像は先月、バチカンでのローマ法王ベネディクト16世との謁見やゲルニカでの空爆犠牲者追悼平和式典などで披露され、ニューヨークでは聖パトリック大聖堂でのミサや国連事務総長との会見で後日、披露されています。
このあと、ハドソン川をバックに全員で記念撮影。霞がかかった日本の春のような日の中、和やかに記念撮影が行われました。
一行はこの後、バッテリーパークにある9・11メモリアル「The Sphere(平和の天球)」へ徒歩で移動。秋葉忠利広島市長一行及びマラコフ市(フランス)のミッシェル・シボ市長ら平和市長会議(416都市加盟)一行と合流し、核廃絶と世界平和を祈り献花が行われました。
(文:武末幸繁, 写真:有村洋子)